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相手に聞きやすい声を届ける、Windows 10のエコー対策

Windows 10で通話相手に自分の声が遅れて返る、スピーカー音がマイクに入り込む、音が二重に聞こえるといった問題は、単一の「エコーキャンセル」スイッチだけで解決するとは限りません。使用中のオーディオドライバー、PCメーカーが提供する音声補正機能、Windowsの入力・出力デバイス設定、TeamsやZoomなどの通話アプリ側のノイズ抑制、そしてマイクとスピーカーの物理的な配置が関係します。この記事では、まず症状をエコー、ハウリング、マイクのモニター音に分けて確認し、Windows 10の[サウンド]設定から正しい録音デバイスを選ぶ方法、[このデバイスを聴く]を無効にする方法、利用可能な拡張機能を確認する方法を説明します。さらに、ヘッドセットの利用、音量バランスの調整、アプリ内設定、ドライバー更新までを順序立てて紹介し、機器や環境に応じて安全かつ効果的に原因を切り分けられるようにします。

Windows 10でオンライン会議や通話をしていると、相手の声が返ってくる、自分の声が少し遅れて聞こえる、会話中に「キーン」という音が出ることがあります。これらはまとめてエコーと呼ばれがちですが、実際には原因が異なります。Windows標準の設定、PC固有のオーディオ機能、通話アプリ、スピーカーとマイクの置き方を順に確認すれば、多くのケースで改善できます。

最初に症状を見分ける

設定を変更する前に、誰が何を聞いているのかを整理しましょう。自分だけが聞く音と、通話相手が聞く音では、確認すべき場所が変わります。なお、Windows 10ではすべてのPCに共通した「エコーキャンセル」項目が表示されるわけではありません。表示の有無は、内蔵サウンドチップやメーカー提供のドライバーに依存します。

症状主な原因優先して確認する項目
相手が自分の声を繰り返し聞くスピーカー音をマイクが拾っているヘッドセット、スピーカー音量、アプリのエコー抑制
自分の声がPCから遅れて聞こえるマイクのモニター再生が有効[このデバイスを聴く]のチェック
高い連続音が鳴るマイクとスピーカーの音響フィードバック音量、距離、向き、再生機器の変更
録音した声が二重に聞こえる複数の入力経路またはアプリ側の処理既定の入力デバイス、仮想オーディオ機器

Windows 10で入力デバイスを正しく選ぶ

複数のマイクが有効な状態では、意図しない内蔵マイクやWebカメラのマイクを通話アプリが選ぶことがあります。まず、実際に使うマイクを確認します。

  1. [スタート]から[設定]を開き、[システム]、[サウンド]へ進みます。
  2. [入力]の[入力デバイスを選択してください]で、使用するUSBマイク、ヘッドセット、または内蔵マイクを選びます。
  3. [デバイスのプロパティ]を開き、名前を分かりやすく変更します。例として「会議用USBヘッドセット」としておくと、アプリ側でも選び間違えにくくなります。
  4. 入力音量を確認します。まずは70~85程度を目安にし、声が小さい場合だけ少しずつ上げます。

入力レベルを必要以上に上げると、声だけでなくスピーカー音や室内の反射音も拾いやすくなります。大きな声を出さずに十分な入力レベルが得られる位置にマイクを置くことが基本です。

「このデバイスを聴く」を無効にする

自分の声が遅れてスピーカーやヘッドホンから聞こえる場合、マイクのモニター機能が原因であることがよくあります。この機能は録音確認には便利ですが、通話中は二重音やエコーの印象につながります。

  1. [設定]の[システム]-[サウンド]を開きます。
  2. 画面右側または下部の[サウンド コントロール パネル]を選択します。
  3. [録音]タブで利用中のマイクを選び、[プロパティ]を開きます。
  4. [聴く]タブの[このデバイスを聴く]がオンなら、チェックを外します。
  5. [適用]、[OK]を選び、通話アプリを再起動して確認します。

この項目がオフでも自分の声が聞こえる場合は、通話アプリのマイクテスト、オーディオインターフェースのダイレクトモニター、またはヘッドセット専用ソフトのサイドトーン設定を確認してください。

拡張機能とドライバーを確認する

一部のPCでは、録音デバイスの[拡張]タブやメーカー製音声ユーティリティに、エコーキャンセル、ノイズ抑制、ビームフォーミングなどが用意されています。[録音]タブからマイクの[プロパティ]を開き、[拡張]または[詳細]を確認してください。ただし、項目名や利用可否は機種によって異なります。

  • 「音響エコーキャンセル」「Acoustic Echo Cancellation」などの項目があれば有効にします。
  • 「ノイズ抑制」は空調音やキーボード音に有効ですが、強すぎると声が不自然になることがあります。
  • 「マイクブースト」は必要最小限にします。上げすぎると周囲音と反射音も増幅されます。
  • 拡張機能の項目がない場合は、無理に別ソフトを導入せず、通話アプリと物理的な対策を優先します。

内蔵オーディオを使うPCでは、Windows Updateだけでなく、PCメーカーのサポートページから対象機種向けのオーディオドライバーを確認することも重要です。汎用ドライバーへの置き換えで、メーカー独自の音声処理機能が使えなくなる場合があります。

エコーキャンセルは、スピーカーから出た音をソフトウェアが推定して入力信号から差し引く処理です。スピーカー音量が大きすぎる、マイクが近すぎる、室内の反響が強いと、処理だけで完全に除去するのは難しくなります。

通話アプリ側の音声設定もそろえる

Teams、Zoom、Skypeなどの通話アプリは、それぞれ独自のエコー抑制やノイズ抑制を実行します。Windowsで選んだマイクと、アプリで選んだマイクが一致しているかを確認しましょう。アプリのオーディオ設定で「自動選択」が意図しない機器に切り替わる場合は、使用するマイクとスピーカーを明示的に指定します。

アプリ内で確認したいポイント

  • マイクとスピーカーが同じヘッドセットになっているか。
  • ノイズ抑制や背景雑音抑制が無効になっていないか。
  • テスト通話または録音テストで、音が二重にならないか。
  • 同じ会議に複数の端末で参加していないか。参加している場合、片方の端末はマイクとスピーカーをオフにします。

会議室でノートPCとスマートフォンを同時参加させる場合は特に注意が必要です。端末同士が近いと、どちらも高度な抑制機能を持っていてもハウリングが発生することがあります。

最も確実な物理的対策

スピーカーを使うより、マイク付きヘッドセットまたはイヤホンを使うほうがエコー対策として確実です。再生音が空気中を回り込んでマイクに届く経路を大幅に減らせるためです。USB接続やBluetooth接続のヘッドセットでは、通話アプリとWindowsの両方で同じ機器を入出力に選択します。

スピーカーを使う必要がある場合は、次の順で環境を整えてください。

  1. スピーカーの音量を会話に必要な最低限まで下げます。
  2. マイクをスピーカーの正面から外し、口元に近づけます。
  3. 壁や机の角に向けて大音量で鳴らさず、反射音を減らします。
  4. 外付けマイクは、無指向性より口元を狙いやすい単一指向性の製品を検討します。
  5. 通話に不要な録音ソフト、仮想ミキサー、ブラウザーの別タブを閉じます。

改善しないときの切り分け

設定を変更しても改善しない場合は、原因を一度に増やさないことが大切です。まずヘッドセットを接続し、通話アプリのテスト機能またはWindowsのボイスレコーダーで短い録音を行います。録音自体が正常なら、問題は相手側の環境または通話アプリの設定にある可能性が高くなります。録音にも二重音が入るなら、Windowsの録音デバイス、ドライバー、仮想オーディオ機器を疑います。

[サウンド コントロール パネル]の[録音]タブで、使っていない入力デバイスを一時的に無効化するのも有効です。ただし、必要なWebカメラやBluetooth機器まで無効にしないよう、変更前に名称を記録してください。ドライバーの再インストールや更新を行う場合は、先に復元ポイントやメーカーの案内を確認すると安心です。

参考資料

他の言語版

著者について

Stefano Barcellos編集長

ジャーナリスト兼編集者。10年以上にわたり、テクノロジー、文化、日常生活について執筆している。